大学生が活躍するまち、東広島
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月曜日~金曜日(12月29日~1月3日、祝日は除く)
8時30分~17時15分
大学生が活躍するまち、東広島
工学部化学生命工学科3年 及川 陽香さん
※2024年11月取材時
学生の創造力や研究力を向上させると共に、研究者としての考え方を養い、学生生活をより豊かにすることを目的に発足した「サイエンスラボ部」。15名で立ち上げた同好会は80名の部員を擁する部に昇格し、他大学や企業、地域と連携して研究や共同開発を行う一方、イベント出展やワークショップを通じ、地元に学びの場を創出している。
2024年11月4日に「道の駅西条のん太の酒蔵」で開かれたキッズフェス。“子どもが楽しめる”を合言葉に、子どもビンゴや体力測定が行われ盛り上がりを見せました。ここで自家製のハチミツを使ったせっけん作りのワークショップを開催したのが、近畿大学工学部「サイエンスラボ部」です。
代表の及川陽香さんは、「私たちの活動は大きく分けて6つあります。1つが学びの場の創出や理系人材の育成、2つ目が養蜂活動、3つ目が企業との商品開発、4つ目が工場見学、5つ目が他大学と連携した共同研究、そして最後が今日のようなイベント出展です。」と話します。及川さんはサイエンスラボ部の創設者で、2023年10月に「科学の楽しさやワクワクを知ってほしい」と同部を創部。はじめはメンバー15名の同好会でしたが、活動の趣旨に賛同する学生が集まり、SNSでの情報発信の効果も相まって、総勢80名が参加する部へと成長を遂げました。
活動の中心となっているのが、大学から引き継いだ「ハニープロジェクト」です。近畿大学工学部ではミツバチを研究しており、そこから派生して養蜂を実施。採取したハチミツを使って商品開発を行ったり、ハチミツそのものを販売したりしています。「サイエンスラボ部ができたことで、大学が手掛けていたプロジェクトを私たちが継続する運びになりました。学園祭で、採れたハチミツや、地元のベーカリーと共同開発したハチミツを用いた商品を販売しとても好評でした」と、及川さん。また、イベント等で行うワークショップでも、同じハチミツを多様な用途で使用し、知名度を上げると共に、ハチミツの可能性について模索しています。
「科学に興味を持ってほしい、楽しさを知ってほしいという思いでスタートしたこの部ですが、学生自身の“伝える力”や“社会で活躍する力”を養えればとも考えています」。企業との共同開発や他大学との共同研究、工場見学などを通じて、学生に実践的な学びを提供することを目指しています。「企画をプレゼンしたり成果発表を行うなかで、おのずと自身の伝える力が育まれていきます。また、工場見学では、県内の化粧品メーカーなど自分たちが将来関わるであろう分野の会社を訪問し、仕事を見学させてもらい、進路を考えるきっかけづくりをしています」と、学生の成長の場になることも期待しています。
対外的には学びの場を、部内で関わる学生には未来への道筋を作っている「サイエンスラボ部」。今後の目標は、「活動の継続」といいます。「私は今年12月に引退なので、これから後輩たちが活動を続けやすいような組織づくりに最後まで力を注ぎたいです」と、及川さん。
一方で、彼女自身の個人的な夢も追いかけているそうです。「実は昨年起業して、会社を立ち上げました。『Job Park』という名で、中高生の居場所づくりを手掛けていく計画です」と、にっこり。これまで及川さんが様々な活動を行うなかで、「学校や塾といった勉強をするところではなく、もっと社会に即した力を養う場所があれば」という考えに行きついたといいます。「例えば企画書の書き方や名刺の作り方といった、実用的な学びです。同時に、自分はこれから何をしていきたいのか、どんな人間になりたいのか、偏差値や学歴といった物差し以外で将来を考える場になればと思っています」。及川さんはアイデアの具体化に向け、走り出したばかりだといいます。
「東広島市は、学生の活動を心から応援してくれるまち。私自身、これまでたくさんの成果発表の場を用意してもらいました。今後は東広島市に拠点を移し、サイエンスラボ部と個人の活動、両方に全力を注ぎたいです」。
近畿大学工学部サイエンスラボ部
お問い合わせ:cosciencelab888@gmail.com
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