大学生が活躍するまち、東広島
082-422-1033
月曜日~金曜日(12月29日~1月3日、祝日は除く)
8時30分~17時15分
大学生が活躍するまち、東広島
学長 焼廣 益秀さん
※2022年3月取材時
「保健・医療と福祉を軸に世界平和を創造する大学」という理念のもと1998年に開学した「広島国際大学」。大学が描く将来像は「ともにしあわせになる学び舎」。地域社会における人々の健康寿命を延伸させること、健康の格差を縮小させることを目的に、さまざまな取り組みを推進する。地域貢献と産官学連携の観点から行っている「広国市民大学」と「しあわせ健康センター」について、学長の焼廣益秀さんに話を伺った。
「広国市民大学」は、学内外に関わらず、誰もが一緒に学び合い、教え合い、集うことを目的に開学した市民大学です。単発講座のほか、「“たおやかな心”を育むコース」など全10回で1年間かけて学ぶコースも用意しています。複数受講も可能ですが、例年定員を上回る応募があるほどの人気です。中でも子育て中のお母さんたちに好評なのが、子どもの成長について学べる「こども未来コース」です。「普段の育児に取り入れられた」「子どもの気持ちがわかるようになった」というような感想が寄せられています。無料の託児があるのも喜ばれています。
さらに「IT活用コース」では学生たちが講座の補助に入ることもあり、受講者たちが若い学生たちから元気をもらっている場面も見受けられます。広国市民大学のもうひとつの目的が“ふれあいの場・つながりの場”を作ることなので、交流が生まれることで、“ともにしあわせになる学び舎”というビジョンが達成されるのではと考えています。現在、市民大学の講師は大学教員たちが務めていますが、今後は学びを深めた受講生たちや、現役時代にさまざまなキャリアを積んだ人たちに教える側に立ってもらい、人が人を育てる場になっていけばとも思っています。
もうひとつ力を入れているのが、地域の人たちの健康相談や健康指導の場として使われている「しあわせ健康センター」です。こちらは当初、大学内の一室を使用して行われていましたが、2020年に「Active Wellness Center」を新設し、同施設内で行うようになりました。健康相談や認知症予防相談、子育て・介護・福祉相談など内容は多岐にわたり、リピーターの相談者も数多くいます。コロナ下にあっては電話相談も受け付け、さらに自宅にこもりがちになってしまうことを受けて、ヨガ教室や体操教室を開催。フレイル(虚弱・加齢に伴い心身が衰えた状態)予防に努めています。
健康教室は出張でも行っており、地域の人たちと触れ合う中で、学生たちが自身の今後の仕事にやりがいを見出したり、地域社会に貢献することの喜びを感じてくれたらとも思っています。本来の目的は“地域住民の健康寿命を延伸すること”なので、同センターを通じて地域の健康状態を正確に把握し、その状態に合わせた健康活動を実施するよう努めています。蓄積された健康データは「東広島市フレイル対策プロジェクト」等にフィードバックし、さまざまな研究に役立てられています。さらにフレイルサポーターの養成なども行い、地域の健康推進の底上げを図っています。
市では現在、まちと大学が共同で地域課題の解決に取り組む「Town(まち)&Gown(学生・教員等)構想」を進めていますが、前述したような本学の取り組みもこの構想に合致するものではないかと考えています。“ともにしあわせになる”ためには、人と人とがつながり、連携を取ることが大切です。大学は決して敷居の高い場所ではありません。本学はこれからも市民の皆さんが気軽に訪れられる学び舎として、構想の一拠点となり、まちと共に歩んでいきたいと思っています。