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東広島定住サポートセンター(地域政策課)

月曜日~金曜日(12月29日~1月3日、祝日は除く)

8時30分~17時15分

”東広島LOVEな人”に聞いてみた
移住・創業インタビュー

大工、ショップ・ワークショップ運営 / 兼平慶さん

◎東広島市豊栄町在住 40歳 ◎居住歴:1年9カ月 ◎出身地:東京都
※2019年11月取材時

家族の時間を大切に
自然の中で理想の暮らしを

大学卒業後バーテンダーになり、その後オーストラリアでワーキングホリデー。農場で働くうちに農業に興味を持つ。帰国後に結婚、茨城県で有機野菜作りに着手。その2カ月後に東日本大震災に遭遇し、妻の実家がある広島市に避難、その後三次市で仮住まい。2018年3月に豊栄町に転居。子どもは9歳、7歳、4歳、2歳の4人。間もなく5人目が生まれる予定。

ケヤキ林に囲まれたわが家

自分たちが理想とする家を探して全国を歩いた末に、たどり着いたのが豊栄町清武地区の家です。もともとリンゴ畑だった広いケヤキ林は、子どもたちが伸び伸びと遊べる空間。日当たりがよく、倉庫や畑もある絶好の環境です。また清武地区は戦後の開拓地で、各地から入植した皆さんが力を合わせて切り開いてきた所。地域の方々は私たちを温かく受け入れてくれました。
オオサンショウウオが生息するほどの豊かな自然に囲まれながら、スーパーやホームセンターまで10分程度で行ける立地も気に入っています。また、電気は引いていますがガスは使わず、風呂を沸かしたり煮炊きをしたりする燃料は薪。妻も私も、今の暮らしは程よく便利、程よく不便で心地よいと感じています。

小さな仕事を集めて、丁寧に暮らす

今の仕事は何か、と尋ねられると、返事に困ります。主な収入源は大工。仮住まいをしていた間に、職業訓練校で大工仕事を習得。ちょっとしたリフォームや屋根の張り替え、小屋作りなどを請け負っています。東広島市移住者等創業支援事業補助金を活用して自宅に併設した、小さなショップ「生活の森」では、原料や製法が明らかな、安全・安心の調味料を販売。売るといっても、自分たちがいいと思った品を紹介する感覚です。生の木を削って作るスプーンやフォークも、最初は純粋な趣味でしたが、最近は販売し始めました。妻が何年も実践してきた豆腐やみそ、甘酒などの手作りの楽しさは、ワークショップで多くの方とシェア。22羽の鶏が産む卵は、自分たちが食べたり物々交換したり…。せわしない今の時代、私たちにとってお金より大事なのは家族の時間。日々を丁寧に暮らしていこうと考えた結果、小さな仕事を集めて生計を立てるようになりました。

ありのままに楽しめる場所に

週に1度、東広島市や近隣地域の親子にケヤキ林で過ごしてもらう「森のおさんぽ会」を開催しています。乳幼児から小、中学生まで、異なる年齢の子どもたちが一緒になって、たき火でも木登りでも、やりたいことに自分のリズムで取り組める場です。カリキュラムは決まっていません。大人は「危ない」「汚い」と言わないのが約束。子どもたちが伸び伸びと“ありのままの自分”でいられる空間を目指しています。
これからはツリーハウスも作りたいし、農業も本格的に再開したい…。やりたいことはたくさんあるので、腰を据えて一つずつ実現していきます。昔の村のように、それぞれが得意なことを生かして、助け合って共生するような暮らしが理想。豊栄町のわが家は、その夢をかなえる絶好の舞台です。子どもたちが大きくなって、孫を連れてくる頃になっても、みんながありのままに時間を楽しめる場所でありたいと思います。