”東広島LOVEな人”に聞いてみた
移住・創業インタビュー
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月曜日~金曜日(12月29日~1月3日、祝日は除く)
8時30分~17時15分
”東広島LOVEな人”に聞いてみた
移住・創業インタビュー
◎東広島市志和町在住 26歳 ◎居住歴:1年5カ月 ◎出身地:東京都
※2019年11月取材時
美容系の専門学校を卒業後、アパレル業界で働く。新宿や渋谷などの店舗で店長も経験。2018年7月に志和町へ移住し、地域おこし協力隊員に着任する。ハーブやアロマの知識を生かしワークショップを実施。蓮の花を使った化粧品の商品化を目指して奮闘中。
ファッションが好きで、都心で販売の仕事をしていた24歳の時。気付かせてもらうことが多い環境で自分の成長を実感すると同時に、「もっと幅を広げたい」と次のステップを模索していた時期に、地域おこし協力隊の募集を知りました。大好きな仕事と家族の元を離れることにはなりますが、「あえて今までよりも厳しい、新たな環境でチャレンジしてみよう」と思い、移住を決めました。
志和町に初めて来た日の夜は、キラキラと輝く星に感動。赤い瓦と白壁の家々が、緑に映える風景は何度見ても飽きません。山陽自動車道の志和インターが近いので交通アクセスがよく、広島市内まで1時間以内で行けるのもポイント。志和は、都会からの移住者にも暮らしやすいと感じました。
「それまでの経験が生かせる美容関係の活動で、志和町の活性化につながることを始めよう」と意気込んで引っ越したものの、着任してから数カ月間は戸惑うばかりでした。右も左も分からない土地で知り合いもいない中、ポツンと一人。自分のやりたいことを進めていくにはまず何をしたらいいのか、志和町のために何をするのが正解なのか、と悩む日々が続きました。転機になったのは父のアドバイス。「地域おこしの活動も、接客だと思えばいいよ」という一言にハッとし、「そうか、自分の目の前にいる人をお客さまだと思って、相手が喜ぶことをすればいいんだ。大好きなファッションや美容の分野で、女性を元気にする方法を考えよう」と前向きになりました。手始めに、ハーブやアロマの知識を生かして、ワークショップを開催。年配の方にはハーブを使った虫除けスプレー、子育て中のお母さんにはバスボム(入浴剤)など、参加者に応じて内容を工夫しました。会場にはいつも、笑顔の輪。自分が積極的になったことで、地域の皆さんとの距離もぐんと近くなったと思います。
今振り返れば悩みに悩んだ数カ月は、自分の内面と向き合うとても大切な時間でした。「不安や不満も、気の持ちようでポジティブに変えられる。全て自分次第! なかなかできない貴重な体験をせっかくさせてもらっているのだから、楽しまなきゃ!」と切り替えられてからは、毎日が楽しくてたまりません。東京や千葉にいたら絶対できなかったような経験をさせてもらい、出会えなかったはずの人にも出会い、さまざまなことを学び続けて、少しずつ、自分の幅が広がり成長していると手応えを感じます。
ある時、レンコンが志和町の特産品だと教えてもらいました。都会育ちの私には、レンコンが泥の中で育つことや、蓮の花がレンコンの花だということは初耳。仏教では「泥中の蓮」という表現があり、「どんな環境の中でも清らかさを保つ」という意味があることにも心打たれました。そしてピンク色の気高い花を見るうちに「志和町の蓮の花で、化粧品を作りたい! 志和町の資源を生かした化粧品を製造し、地域のPRにつなげたい」と決意。ヒールを長靴に履き替え、生産者さんに許可を得て泥田に入り、蓮の花を収穫して試作にトライしました。また、専門知識を持った大学の研究者や有機栽培農家を訪ねるなど、出会う人の数も倍増。つながりが増えるごとに可能性も広がり、大きなエネルギーをもらっています。
来年6月〜7月の蓮の開花期に向けて、商品化への準備を進めています。また、化粧品製造やワークショップで使用するハーブを、志和町の休耕地で栽培する活動も推進中です。目標の実現へ、楽しみながら一歩ずつ前進していきたいと思います。