”東広島LOVEな人”に聞いてみた
移住・創業インタビュー
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月曜日~金曜日(12月29日~1月3日、祝日は除く)
8時30分~17時15分
”東広島LOVEな人”に聞いてみた
移住・創業インタビュー
◎東広島市福富町在住 40歳 ◎居住歴:7カ月 ◎出身地:広島市
※2019年11月取材時
2019年4月、広島市から東広島市福富町に転居し、家具職人として独立。商業施設や住宅などの注文家具を手掛ける。静かな山里に建つ祖父の家を住居にし、工房兼倉庫を新設。木工機械などの導入に、東広島市移住者等創業支援事業補助金を利用。
私は細かい仕事が好きで、高校を卒業してから家具製造会社に就職しました。「職人は一人前になるまで20年かかる」といわれますが、祖父が亡くなったのは働き始めてちょうど20年を迎えるころ。「独立して、懐かしい福富町の祖父の家に工房を構えたい」と考えました。なだらかな山のふもとにある家には、子どもの頃からよく遊びに行っていました。目の前には田畑が広がり、大きな道路から離れているので本当に静かで、仕事に専念できる抜群の環境です。家を相続した父や親戚に思いを伝えて、私が住み、働くことを了承してもらいました。自宅の隣に工房兼倉庫を建てるため、何度も相談に行ったのは東広島定住サポートセンター。農地を転用する手続きや補助金の申請など、きめ細かいアドバイスをもらい、スムーズに創業することができました。
毎朝7時に工房の窓を開けて澄んだ空気を入れ、ラジオを付けたら始業です。夏でも自然の風が通り抜ける工房は、クーラー要らず。必要な機械もそろった快適な環境で、自分のペースで作業は順調に進みます。仕事に熱中するあまり、昼ご飯を食べ忘れることも珍しくありません。
手掛けているのは、マンションの作り付けの棚や、商業施設に置かれる什器、カウンターなど、さまざまな注文家具です。一つひとつ仕様やサイズ、材料が違うため、緊張感を持って作業に当たります。私のこだわりは「美しく仕上げること」。図面通りに作っても、仕上げにやすりを使うか、サンドペーパーを使うかといった、ちょっとした工夫で家具の見栄えは大きく変わります。起業から7カ月。知識と経験をフル活用して、納得のいく製品を期限内に納品することで、職人としての信用を積み重ねているところです。
仕事の打ち合わせのため広島市内に行くこともありますが、車で1時間程度の距離なので不便は感じていません。小鳥のさえずりが聞こえ、季節の移り変わりを肌で感じてリフレッシュできる福富町に工房を構えたメリットは大きいと思います。
おかげさまで独立してから仕事が途切れず、適度に忙しくしています。家の周囲や土手の草刈りは、ついつい後回しに…。外を歩くたびに「草が伸びてきたな。早く刈らないと」と焦るのが、唯一のストレスです(笑)。時間があれば、自宅をリフォームしてホームバーを作ったり、組み木細工や寄木細工を仕上げたりと、趣味と実益を兼ねてスキルアップ。穏やかで充実した毎日を送っています。