東広島の子育て
082-422-1033
月曜日~金曜日(12月29日~1月3日、祝日は除く)
8時30分~17時15分
東広島の子育て
暮らしやすさや住みやすさの基準のひとつになる、子育て環境。東広島市は子育てに関するさまざまな支援制度が整い、親子向けの施設も充実しているため、多くのファミリー層に支持されています。今回は、初めての妊娠・出産・育児を迎えるプレパパ&プレママを対象にした「パパママ教室」を取材。参加者の声も併せて紹介します。
東広島市では、初めて赤ちゃんを迎える家庭が安心して妊娠・出産・育児に臨めるようにと、多彩な教室を開いています。そのひとつが、妊婦体験や沐浴体験ができる「パパママ教室」です。妊娠6か月以降の妊婦さんとプレパパの夫婦が対象です。2人目以降のお子さんを妊娠中のご夫婦も参加できます。
今回訪れた「東広島市総合福祉センター」では月に1回開催されており、午前と午後の部それぞれ16組の定員を設けています。当日は3グループに分かれて実施。そのうちの1グループに密着取材しました。(※2023年10月15日開催)
この日密着取材したグループに参加したのは、4組のプレパパ&プレママ。大きなお腹を抱えたママたちにパパたちが優しく寄り添い、皆さんとても幸せそう。参加者の誰もが、輝くような笑顔を浮かべています。参加の動機を尋ねてみると、「初めての出産と育児なので何か少しでも参考になれば」という声や、「職場の先輩に『絶対に参加しておいたほうがいい』と勧められたので」と、色々な理由が寄せられました。
教室の内容は3部構成になっており、こちらのグループはまず妊婦体験からスタートします。こちらの講義を受け持つのは、助産師の石田綾子(いしだ あやこ)さん。はじめに、妊娠をしたママたちの体がどんなふうに変化していくのか、図を使って説明します。用いられた図の横には、体の変化として「肺:息苦しさ・動悸」「背骨:背部痛・腰痛」「精神面:涙もろくなる・イライラ」などの言葉がずらり。並べられた文言を眺めているだけで、妊娠・出産がいかに大仕事かが伝わります。体の変化を説明しながら、石田さんからは「妊娠中は反り腰になりがちなので、なるべくまっすぐ立つように心がけて」などの生活のアドバイスも。真剣な表情で耳を傾けるママたちは、しきりにうなずきます。
次に重さが13kgほどある「妊婦ジャケット」をパパたちが装着。妊婦の生活を疑似体験してみます。2人のパパは廊下を歩いてゴミ拾い、もう2人のパパは寝転がってから起き上がるという動きにチャレンジ。パパたちからは「しんどい」「足元が見えなくて怖い」「動きづらい」と、思うように動かない体を体験してみての感想が口々に飛び出します。石田さんからは、腰のさすり方など、どうやったらママたちが楽に過ごせるかのサポート方法も教えてもらいました。
参加したパパの1人からは、「思ったよりも大変。腰をさすってもらうとすごく落ち着くことがわかったので、帰ったら早速妻の腰をさすってあげようと思います」という温かな感想も寄せられました。
妊婦体験にチャレンジした後は、2つ目の講義である「親子のふれあい」へ。こちらを担当するのは、保健師の亀山紫緒菜(かめやま しおな)さん。まずは亀山さんが、「赤ちゃんが生まれたら、どんなことをしてあげたいですか。家族でどんなふうに過ごしてみたいですか。思い浮かべてみてください」とワークを出題。出されたお題を受け、「いっぱい抱っこしてあげたい」「絵本を読んであげたいな」と、パパたちママたちは嬉しそうに話し合います。さらに亀山さんは、赤ちゃん人形を使って、生まれたばかりの赤ちゃんがどのような状態かをレクチャー。「生後1か月くらいの赤ちゃんは、30cmくらいの距離でパパとママをぼんやり認識しています。そのうちじっと見つめてくれたり、『あーあー』『うーうー』というような言葉で語りかけてくれるようになります。お腹にいる時も、パパとママの声はわかっているんですよ。お腹の赤ちゃんにいっぱい話しかけてあげてくださいね」と、亀山さん。
パパたちママたちは、「今日はパパママ教室に来てるよ~ 同級生になる子がいっぱいいるよ~」と楽しそう。「あっ、今動いたかも!」と、顔をほころばせるママもいました。最後は語りかけに活用できる絵本を紹介したり、産後の赤ちゃん訪問について案内。合間に記入してもらったアンケートに目を通しつつ、今後の出産・育児について不安がないかを聞き取る個別相談の時間を設けました。
講座の最後は、多くのパパたちママたちから「出産前にこれだけはやっておきたかった」という声が聞かれた沐浴体験。保健師の井川直子(いがわ なおこ)さん指導のもと、沐浴の手順をマスターします。
「体を清潔にして血行を良くする」「全身観察やふれあいの時間になる」など、沐浴が持つ効果や流れをまとめた動画を視聴した後は、実際に手技に挑戦。ベビーバス、湯温計、ガーゼといったグッズが並んだ台に向かい、赤ちゃん人形を使いながら流れを学びます。
「入浴後に赤ちゃんに着せる産着とベビードレスは、最初に重ねておくといいですよ。落ち着いて沐浴を行うために、しっかり準備をしておきましょう」と井川さん。パパたちがおそるおそる人形の服を脱がせ、そっとベビーバスにつけていきます。その後はガーゼを使い、顔や頭、全身の洗い方を学習。赤ちゃんの体をひっくり返す場面では、「ちょっと難しいかも」と戸惑う声も。そのたびに井川さんが、「こちらの手をここに添えてね」と具体的な指導を行います。
無事に最後までたどり着き、服を着せ替えた赤ちゃん人形を抱っこしたパパたちママたちは思わず笑顔に。「出産前に習っておいてよかったね」という声が聞かれました。
この日の教室に参加したみなさんに感想を聞いてみると、「これだけの内容を、市が無料で教えてくれることが本当にありがたいです。今日参加することができて、すごく勉強になりました」「妊娠や出産についてわからないことが多かったけど、実際に体験してみて色々と理解できました。赤ちゃんが生まれた後も、夫婦で協力して育児をしていきたいです」といった言葉が寄せられました。
教室を担当した一人である保健師の亀山さんは、「パパママ教室は毎回定員がうまるくらい人気の教室です。参加することで、これからの赤ちゃんとの過ごし方がイメージしやすかったり、夫婦で育児をどうするか話し合うきっかけにもなります。こういった場を活用して、親になることの意識をご夫婦で共有できたらいいですね。私たちも全力でサポートして、みんなで育児をしていく環境をつくっていきたいです」と、にっこり。
市ではほかにも、「マタニティ教室」や「ワーキングマタニティ教室」など、多様なプレパパ&プレママに寄り添う教室を開催しています。皆で一緒に学びながら、楽しくハッピーなマタニティライフを過ごし、安心の出産・育児を迎えてはいかがでしょうか。
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